コカツが浴室で軟水器を使い始めて10年以上。デメリットもありますが、それを上回る魅力を感じ使い続けています。
ところで、軟水と聞くと『世間にいろいろある怪しい水のひとつ』と思われる方も多いのではないかと思いますが、少なくとも軟水自体は決して怪しいものではありません。
日本は水道水の硬度が60くらいで、世界的に見ると相対的に硬度が低く軟水の部類に入ります。一部には硬度20くらいの地域もあるようです。これに対し、軟水器がつくる軟水は基本的に硬度がほぼゼロであることがポイントです。
軟水自体には効能は感じませんが、石けんやシャンプー等を併用する、つまり『洗う』場面でその真価を発揮します。具体的には、
①洗い上がりの肌のつっぱりや髪のきしみが大幅に軽減され、乾くとスベスベになる。
②肌や環境への負荷が少ない純石けんが実用になる。
③水まわりが汚れにくくなる。
④石けんやシャンプーの使用量が少なくなる。
これらのメリットは、軟水では『石けんカス』が発生しないことによります。石けんカスは金属石けんとも呼ばれ、水道水に含まれるカルシウム・マグネシウムと石けん等に含まれる脂肪酸が結合して生成されます。お風呂に入って体を洗うと、風呂桶に汚れがこびりつきますよね?でも、垢にしては多すぎると思いませんか?実はあの汚れの大半は石けんカスであり、その発生源は水道水と石けんです。言ってみれば、汚れの原因で体を洗っているようなものです。
水の硬度はカルシウムとマグネシウムの含有量を表しています。硬度ゼロの軟水はこれらを含みませんので、石けんの脂肪酸は石けんカス生成に消費されることなく、すべて洗浄のために使うことができます。
軟水と石けんで体を洗うと、石けんのヌルヌルがいつまでも落ちない感触が特徴です。水道水の場合の石けんが落ちたキュッという感触は、石けんカスの摩擦によるものです。軟水で石けんが落ち切らない感触がイヤな方もおられます(大抵男性です)が、コカツは逆にキュッという方が石けんカスが手に付いたようでイヤになりました。元々の硬度が高いほどその差を感じやすいのですが、硬度30(コカツの自宅での硬度)でも硬度ゼロとの違いは歴然で、軟水器の再生時期になり硬度が出始めるとヌルヌルが残らなくなってくるので、それを目安に再生をしています。
水道水で石けんを使う場合、石けんカスが発生し脂肪酸が消費されると、洗浄に必要な脂肪酸が不足します。泡立ちの悪い状態がこれで、ここに汚れや水道水を追加すれば残りの脂肪酸も消費し尽され泡が無くなります。そうなると洗浄能力が無いばかりか、石けんカスが付いて逆に汚れることになりかねず本末転倒です。水道水の場合は洗浄中に泡がなくならないくらいの石けんで洗い、すすぐ前に石けんカスの原因となる泡をできるだけ落としたり、洗濯物に残った石けん水をできるだけ絞ってからすすぐことがキレイに洗うポイントです。純石けんで髪を洗い、泡を落とさないまま水道水のシャワーですすいだことがある方には良くお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、市販の石けんのほとんどには、水道水でも泡立ちが良くなるような成分(EDTA-4Naなど)が配合されています。これらを避けたい、つまり純石けんを使いたい場合、軟水器の導入がベストな回答であることは間違いありません。軟水なら純石けんで髪を洗っても全然大丈夫で、好みや必要に応じて少量のトリートメントを併用すれば充分です。スベスベになった髪は男の自分でも思わず撫でたくなるほどで、女性なら感動モノなのではないでしょうか。純石けんにも素材の違い等で種類があるので、肌との相性や洗い上がりの好みで石けんを探してみるといいでしょう。
コカツが使っている軟水器の紹介とデメリットについては、また別の機会に記したいと思います。