浴室の結露を無くすには?

生活の知恵

住宅リフォーム関係の仕事をしていた頃、リフォーム前の家を見に行くと、浴室に結露している事が結構多く驚いたものです。水分があるとカビが繁殖しやすくなってしまうので、結露は無くすに越したことはありません。

結露は特に、システムバスになる以前のタイル貼りやモルタル塗りの在来浴室に多く見られるのですが、在来浴室でもカラっと乾いている場合もありますし、システムバスでも結露する場合があります。結露の有無には複数の要因が関係しており、それに応じた対策を取る必要があります。

 

〔結露しやすいケース〕

①家の周囲の湿度が高い(まわりが田んぼの場合など)

②在来の浴室(システムバスでない)

③人がいないときも浴槽にフタをしていない

④浴室に換気扇が付いていない

⑤入浴人数が少ない or 入浴時間が短い or 家人の入浴する時間帯が離れている

 

③に該当する場合、次の人がすぐ入る場合以外はフタをしておきましょう。

②④はリフォームしなければ対策できませんし、⑤も生活パターンを変える必要があるため対策できない場合が多いかもしれませんね。

 

〔今できる対策は?〕

(a)水滴を残さない

最後に浴室を出る人が、スクイージー(100均でも売っています)で天井や壁、窓の水をできるだけ落とします。その後、窓を開けて湯気を逃がしたら(浴室の広さや窓の大きさにもよりますが1~2分程度)、窓を閉めて換気扇を回しっぱなしにします。換気扇が無い場合は、窓を細く開けておくのが良いでしょう。 注)浴室の余熱で水分の気化を促します。湯気を逃がしたあとも全開にしておくと、余熱も逃げてしまいます。

 

(b)換気扇を回すときは浴室の窓・ドアともに閉める

窓・ドアを開けたまま換気扇を回すと、換気扇は近いところの空気ばかり吸ってしまうので、乾かしたい箇所に空気が循環せず、かえって乾くのが遅くなります。また、浴室は一見乾いたように見えても隅や小物に水分が残っていることが多いので、換気扇は24時間回しっぱなしにすることをオススメします(回しっぱなしにしても電気代はたかが知れています)。但し換気扇の寿命は短くなりますので、寿命が来たら24時間対応の換気扇に取り換えましょう。 注)通常は屋内の方が湿度が低いので、窓を開けてもメリットはありません。

 

(c)浴室換気乾燥暖房機を取り付ける

冷たいコップに結露するのと同じで、冷え切った浴室に湯気を放てば当然結露します。浴室換気乾燥暖房機で入浴前に浴室の壁や天井を予め暖めておけば結露しにくくなりますので、現在の浴室に追加してもらうのも有効な手段です。ただ、在来浴室は暖まるまでに時間が掛かる(=ランニングコストが高くつく)ので、そこまでやるならシステムバスにリフォームした方がいいかもしれませんね。

 

〔参考事例〕

在来浴室からシステムバスにリフォームして、逆に結露するようになったという事例がありましたので紹介しておきます。人数が多いご家族で、全員が続けて入浴するパターンだったため、浴室自体に余熱が多く貯まり、在来浴室でも窓換気だけで十分乾いていたようです。システムバスは構成部材が軽いため浴室自体の蓄熱容量が小さく、在来浴室に比べ暖まりやすく冷めやすいので、大勢が続けて入る場合は在来浴室より不利なこともあり得ます。それにしても結露が多すぎるので調べたところ、換気扇が回っているのに浴室のドアのスリットから空気が入ってこないことが判明。脱衣室のドアに空気の通り道がないことが原因とわかり、通気口を設けることで結露は解消しました。

 

〔最後に〕

在来浴室の場合、システムバスにリフォームすることが有効な対策になりますが、それで解決するとは限りません。少なくとも、システムバスを選ぶ際は断熱材をフル装備にすることと、浴室換気乾燥暖房機を付けない場合は24時間対応の換気扇を選択することを強くオススメしておきます(浴室換気乾燥暖房機には24時間換気の機能が付いています)。

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